「フォロフライ F11VSの中身ってボルボなの!?」京都大学発の商用EVバン“意外なルーツ”。欧州で賞レースの常連になった実力とは

京都大学発のEVベンチャー「フォロフライ」が手がける商用EVバン「F11VS」。その中身は、ボルボと同じ巨大グループが生んだ実力派でした。海外で数々の賞に輝くそのルーツとは、いったいどんなものなのでしょうか。

初期ロット完売! 話題の商用EVバン、その“正体”とは

 京都大学発の商用EVメーカー「フォロフライ」が展開する1トン積みクラスのEVバン「F11VS」は、2026年1月から大手企業を中心に販売が始まりました。フォロフライの発表では、先行生産分の初期ロット100台を完売し、納車を終えたと伝えています。eフリートは、このF11VSの販売代理店として、導入のご相談から補助金の確認、試乗までをお手伝いしています。

 このF11VS、じつは車両そのものをフォロフライが作っているわけではありません。フォロフライは商品企画と日本仕様の設計に特化し、生産は海外メーカーに委託する“水平分業”型のモデルをとっています。

 このように、自社工場を持たず、企画や設計に特化する企業は「ファブレスメーカー」と呼ばれます。

 では、その“中身”はどこのクルマなのでしょうか。フォロフライは、F11VSを、ボルボやロータス、スマートなどを傘下に持つジーリー・ホールディングス・グループ(ジーリーグループ)の商用車部門「ファリゾン(Farizon)」にOEM生産を託したモデルと発表しています。

 ベースの車名までは公表されていませんが、外観や寸法、動力性能はファリゾンが海外で売る「SV(スーパーバン)」と共通で、EV専門メディアもSVの日本仕様とみるのが妥当だと伝えています。

 では“ボルボと同じグループ”という触れ込みは、どこまで本当なのでしょうか。

中身はボルボ? 気になる“血統”の真相

 「ボルボと同じグループ」と聞くと、中身までボルボと同じだと思うかもしれませんが、そうではありません。

 ファリゾンは、ボルボ・カーズと同じジーリーグループの傘下にありますが、ボルボが乗用車、ファリゾンが商用車と、役割の異なる別会社です。

 肝心のプラットフォーム(車台)も、ボルボの乗用車のものを流用したわけではありません。ファリゾンが商用EV向けに独自開発した「GXA-M」というEV専用の車台が使われています。既存のエンジン車の電動化ではなく、最初からEVとして設計された点が特徴です。

 GXA-Mの目玉は、ハンドルやブレーキの操作を機械のつながりではなく電気信号で伝える「バイワイヤ」技術です。ファリゾンはこれを量産バンで世界初とうたっており、機械部品を減らせるぶん設計の自由度が高く、荷室を広く取りやすいとしています。

欧州で“賞レースの常連” 新参ブランドが世界に認められた実力

 このSVを手がけるファリゾンは、中国で急成長しています。ファリゾンの発表によると、中国の新エネ商用車市場でシェアを3年連続で倍増させて20%を超え、2024年にはブランド全体の世界累計販売が、この分野で初めて30万台に達したとしています。

 欧州での受賞も相次いでいます。イギリスの「What Van?」誌のゼロエミッション・バン部門など複数の賞に輝き、「2026 インターナショナル・バン・オブ・ザ・イヤー」でも2位に選ばれました。

 安全面でも、2024年のユーロNCAP商用バン評価で最高ランクの“プラチナ”を、2025年の星評価では5つ星を得ています。自動ブレーキや車線維持支援などの先進安全装備が、高評価につながったとされます。

 海外展開も進んでいます。SVは2024年末ごろから欧州・中東・アジア太平洋への導入が始まり、イギリスやオーストラリアでは2025年に販売が始まりました。これらの市場では、サウジアラビア発祥の流通企業ジャミール・モーターズが販売を担っています。

 こうして海外でもまれてきたバンを、日本の道路事情や充電環境に合わせて仕立て直したのがF11VSです。

 2人乗り仕様の主要諸元は、全長4990×全幅1980×全高2010mmと、トヨタ「ハイエース ワイド・スーパーロング(全長5380×全幅1880×全高2285mm)」クラスの大きさです。CATL製のリン酸鉄(LFP)電池を82.88kWh積み、航続距離は479km(WLTPモード)、最大積載量は1100kgです。

 急速充電はCHAdeMOに対応し、追従機能付きクルーズコントロールや360度全方位モニターも備えます。2026年6月には、3人乗り仕様(最大積載量1050kg)も加わりました。

 普段は物流の裏方として街を走るバンですが、その1台はボルボ車の商用版ではなく、ボルボと同じグループのファリゾンが商用EV向けに磨いた技術を、日本向けに仕立て直したものなのです。

試して選べる。eフリートの導入サポート

 実力あるバンだとわかっても、自社の業務に本当に合うかは、乗って、積んで、走らせてみないと見えてきません。eフリートでは、F11VSの導入相談から、使える補助金の確認、そして現場での試乗まで、まとめてサポートしています。

 まずは、貴社の走り方に合うかどうかを確かめるところから始めてみてください。

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